根津美術館

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終了特別展
江戸の茶の湯
川上不白 生誕三百年
2019年11月16日(土)~12月23日(月)
江戸の茶の湯 川上不白 生誕三百年
休館日 毎週月曜日 ただし12月23日(月)は開館
開館時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
入場料 一般1300円 学生1000円 *20名以上の団体、障害者手帳提示者および同伴者は200円引き、中学生以下は無料
会場 根津美術館 展示室1・2

享保18年(1733)、紀州藩の江戸詰家老・水野家の家臣の次男で、仕官して江戸にあった16歳の少年が京に上り、紀州徳川家の茶道師範を務めていた表千家七代如心斎(じょしんさい)天然宗左(てんねんそうさ)(1705~51)に入門します。この少年こそ、後に千家流の茶を江戸に広めて不白流の茶家の祖となる川上不白(1719~1807)です。
本展覧会は、不白生誕三百年を記念して開催するものです。如心斎との師弟関係や、不白好みの道具はもとより、大名をはじめとする門人や周辺の職人たちとの関わり、その人柄を反映したような魅力的な書画、そして当館のコレクションの礎を築いた根津青山(初代嘉一郎、1860~1940)を含む近代数寄者への影響まで多角的に展観し、江戸後期から近代にかけて大きな支持を得た不白の茶の湯の魅力を探ります。

展示作品

主な展示作品のご紹介です。出品リスト(PDF)のダウンロードはこちらから。

陶磁
赤楽鶴茶碗 川上不白作
施釉陶器 日本・江戸時代 文化2年(1805) 個人蔵
やや細身で高めの半筒形の茶碗に、首を高く伸ばした鶴が白土で描かれている。鶴の姿は不白が好んで描いた鶴絵と同じで、動きのある姿を見せている。黒釉の亀絵茶碗と一双に作られたものである。
陶磁重要文化財
黒楽茶碗 銘 紙屋黒 長次郎作
施釉陶器 日本・桃山時代 16世紀 静嘉堂文庫美術館蔵
大きめでゆったりとした姿は、同じ長次郎作の半筒形の茶碗とは異なる姿である。不白が江戸に下ることを決めたときに、大坂の豪商で後援者であった鴻池家から餞別として贈られたのがこの茶碗であった。
書蹟国宝
清拙正澄墨蹟 遺偈
紙本墨書 日本・南北朝時代 暦応二年(1339) 常盤山文庫蔵
来日した中国僧、清拙正澄の絶筆。不白は安永4年(1775)8月から年末まで関西に滞在し、その間堺の茶会でこの墨跡を目にした。名品で歓待を受けた、不白の名声の高さがうかがえる。
漆工
鶏頭蒔絵棗 塩見小兵衛作
木胎漆塗 日本・江戸時代 18世紀 個人蔵
不白は京都での修行中、表千家門前の本法寺で所蔵する中国元代の画家・銭舜挙が描いた「鶏頭図」を見て強い関心をもち、自ら模写するだけでなく、棗の意匠に好んで用いた。
書蹟
一行書 無心雲自閑 川上不白筆
紙本墨書 日本・江戸時代 18世紀 高知県立高知城歴史博物館蔵
土佐藩山内家の9代藩主豊雍は、不白に茶道指南を命じて江戸藩邸に迎えた。この一行書は、明治25(1892)年に山内家の高知散田邸に所在した品々を記した『御道具根居』に記載が確認でき、山内家に伝わったことがわかる。不白と山内家を繋ぐ重要な一点である。
陶磁
矢筈口水指 銘 黙雷 備前
無釉陶器 日本・桃山〜江戸時代 17世紀 根津美術館蔵
箆目が施された桃山様式の備前水指。底に、如心斎の手によって、不白の庵号である「黙雷」が朱書きで加えられている。不白所蔵の後、大正11年(1922)に根津青山へ渡った。

関連イベント

2019年12月8日(日)
募集終了 講演会「不白の茶の湯」
2019年11月22日(金)、
12月13日(金)
終了 スライドレクチャー「江戸の茶の湯」