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終了企画展
墨と金
狩野派の絵画

2018年1月10日(水)~2月12日(月・祝)
墨と金
休館日 月曜日 ただし2月12日(月・祝)は開館
開館時間 午前10時‐午後5時
(入館は午後4時30分まで)
入場料 一般1100円、学生[高校生以上]800円
*20名以上の団体、障害者手帳提示者および同伴者は200円引き、中学生以下は無料
会場 根津美術館 展示室1・2

狩野派は、室町時代に興った絵画の流派です。足利将軍の御用を勤め、織田信長と豊臣秀吉にも愛され、さらに徳川家康により幕府御用絵師に取り立てられました。秩序を重んじる政権のもと、狩野派は江戸時代を通じて絵画の世界の頂点に立ち続けることになります。
狩野派の画壇制覇を支えたのは、過去の様々な絵画技術を統合したオールマイティな画風です。狩野派の基本は水墨ですが、中国人画家のスタイルにもとづく既存の様々な水墨画風を整理し、平明な「型」を作りだしました。レパートリーの拡大を志してやまと絵の彩色法を取り入れ、さらに屏風における金の存在感を強化したのも狩野派です。
「墨と金」という言葉に象徴される、狩野派の絵画の革新的かつ豊穣な美を感じ取っていただける機会といたします。

展示作品

主な展示作品のご紹介です。出品リスト(PDF)のダウンロードはこちらから。

絵画
養蚕機織図屏風 伝狩野元信筆
紙本墨画淡彩 日本・室町時代 16世紀 根津美術館蔵
四季の山水景観のなかに、中国製の「耕織図(こうしょくず)」からとられた養蚕と機織りの13の作業場面を展開させる。安定感のある山水表現、複数の図様をまとめあげる構成力、水墨の力強い筆致に、元信(?~1559)の達成を見て取れる。
絵画
両帝図屏風 狩野探幽筆
紙本金地着色 日本・江戸時代 寛文元年(1661) 根津美術館蔵
古代中国の五帝のうち、舟と車を作って難所を克服した黄帝(こうてい)と、琴を弾いて天下をよく治めた舜(しゅん)を描く。為政者が鑑(かがみ)とすべき帝王の画像は、将軍家や大名家で求められた。探幽(1602~74)は、格調高く華麗な画面を作りだしている。
絵画
梟鶏図 狩野山雪筆
紙本墨画淡彩 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵
夜に活動する梟(ふくろう)と朝を告げる鶏を構図も対比させて描く。鳥たちの眼には人の心理が投影されているようだ。山雪(1590〜1651)によるウィットに富む作品。
絵画重要美術品
犬追物図屏風
紙本金地着色 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵
犬追物は、武家が騎射の訓練のために行った競技。山楽(1559〜1635)が作りだした図様にもとづいて本作品を描いたのは、やはり狩野派の画家だろう。
【展示期間:1月30日(火)~2月12日(月・祝)】