饕餮文尊とうてつもんそん 中国・殷時代 前13~12世紀 青銅 1個 高54.0cm 口径48.1cm 底径30.5cm [90069] 大きく開いた口縁をもち、強く膨らんだ胴によく張った脚がついた本作のような器形を「尊」という。尊は殷時代から西周時代にかけて作られたが、後世にこれを模倣した作品が多く作られた。とくに古銅や磁器による尊形の器が花瓶として盛んに用いられた。河南省安陽市殷墟侯家荘(こうかそう)から出土したこの尊は、頸部に蕉葉文(しょうようもん)を廻し、肩に大きな犠首(ぎしゅ)をつけ、胴部に饕餮が堂々とあらわされている。大型で饕餮をはじめとした文様が力強く鋳出された優品である。