- 中国・殷時代 前13~12世紀
- 青銅 3個
- (各)高 71.2~73.0cm
- [90063-90065]
「盉」とは注酒器のひとつで、酒をほかの酒や香料、水などと混ぜ合わせる撹拌器(かくはんき)であり、盃に注ぐ役割もすると考えられている。本作はいずれも四脚をもち、方形の胴部の側面に持ち手をつけ、古代中国の神である饕餮をあらわした頂面覆いに長くのびた注口をつける。胴部の各側面にも大きく口を開いた饕餮があらわされている。各々の盉の文様はわずかずつ異なり、細部まで凝った造形となっている。ほぼ同形同寸の3個の盉が一組になっている例は大変珍しく、殷王の所有品であった可能性が高い。殷代王墓のひとつである河南省安陽市殷墟侯家荘(こうかそう)西北岡(せいほくこう)第1001号墓から出土したと伝えられている。
