草花模様刺繡幡頭そうかもようししゅうばんとう 日本・奈良時代 8世紀 絹 1枚 縦23.5cm 横36.4cm [70011] 幡は仏殿の内外に掲げる荘厳具であり、金銅や玉、絹織物や刺繡などがある。三角形の幡頭はその最上部にあたる。これは、天平勝宝9年(757)東大寺における聖武天皇一周忌に用いられた幡の一部である。緑の綾地に華やかな草花文を、赤、藍、緑、紫などの色糸を用いた精巧な両面刺繡であらわしている。花と葉には濃色から淡色へと微妙な色彩の変化をあらわす暈繝(うんげん)配色を用いており、このぼかしの技法は奈良時代に盛行した。縁は縹(はなだ)地の花鳥文経錦で、金糸の縁取りがめぐる。