- 雪村周継(せっそんしゅうけい)筆
- 日本・室町時代 16世紀
- 紙本墨画 6曲1双
- (各)縦155.6cm 横350.4cm
- [10685]
雲をよぶ龍と風を起こす虎とを対峙(たいじ)させることは、風雲に遭(あ)う覇者(はしゃ)の姿として、室町時代中期以降、戦国武将や禅僧の間で好まれた。本図の筆者・雪村周継(1504~89?)は常陸国の禅僧で、80余年の生涯を東北、関東に遍歴した。名は、私淑した雪舟にちなむ。本図では、暈(ぼか)しを多用した粗放な墨法がすさまじいばかりの表出力を生み、戦国地方画壇の風雲児と評される雪村の個性を遺憾なく発揮している。落款形式から、会津蘆名氏のもとにあった永禄年間の後半から天正の初め、すなわち、雪村60歳代後半から70歳代前半の制作と推定される。
