阿弥陀如来坐像あみだにょらいざぞう 朝鮮・高麗時代 大徳10年(1306) 絹本着色 1幅 縦162.2cm 横92.2cm [10398] 壮麗に飾られた六角の宝壇上、蓮華座に結跏趺坐(けっかふざ)し説法印を結ぶ阿弥陀如来を表す。赤と緑の色彩コントラスト、金泥と彩色の精緻な文様は、高麗仏画に共通する特徴である。本作は、その中において高麗宮廷画の水準の高さを示す名品にかぞえられる。右下隅の銘文から、元との緊張した政治関係の中にあって、年賀の挨拶のため元の大都(だいと)(北京)に滞在している高麗忠烈王(ちゅうれつおう)一行の、速やかな帰還を祈って制作されたことが知られる。