- 日本・江戸時代 17世紀
- 紙本金地着色 6曲1双
- (各)縦176.8cm 横415.6cm
- [10325]
爛漫(らんまん)の桜に埋もれる春の吉野と、錦?(きんしゅう)の紅葉に染まる秋の龍田川を画面いっぱいに描いて一双とする、まことに華麗な屏風である。枝に結ばれ翻る、あるいは水に流され漂う短冊には、『古今和歌集』および『玉葉和歌集』におさめられた吉野と龍田、桜と紅葉の名所を詠んだ和歌が書されている。日本では古来、風景は和歌とともに愛でられた。また、雲のごとき桜と錦のごとき紅葉はあわせて雲錦(うんきん)文様とも称され、好んで意匠化された。名所絵の伝統と日本美術の装飾性が一体となった作品のひとつである。