- 円山応挙(まるやまおうきょ)筆
- 日本・江戸時代 安永5年(1776)
- 紙本金地着色 6曲1双
- (各)縦156.0cm 横359.2cm
- [10323]
円山応挙(1733?95)は、中国絵画の学習をとおして体得した徹底的な写生にもとづきながら、自在な墨法や高度な彩色技術、平明な装飾性を融合させ、独自の画風を確立した江戸後期を代表する画家の一人。総金地に藤を描いた本作品でも、幹や蔓は一気呵成(かせい)の刷毛さばきによるいわゆる「付立(つけた)て」で描かれるが、そこには対象が持つ生命力や立体感、空間の奥行きまでもが一時に表現される。一方、垂下する花房は赤紫や群青、白の顔料を、印象派さながらに重ね合わせ、複雑な色合いとボリューム感を実現する。応挙の写生画風の真骨頂を示す作品である。