- 日本・鎌倉時代 13世紀
- 絹本着色 1幅
- 縦127.8cm 横69.0cm
- [10002]
六面六臂六足(ろくめんろっぴろくそく)の大威徳明王が、疾駆する水牛の背に置いた金剛輪(こんごうりん)の上に、左脚の三足を乗せて立つ。火焔に包まれた明王は、二手で弓矢をつがえ、左二手に三叉戟(さんさげき)と八輻の輪宝(りんぼう)、右二手に宝剣と如意棒(にょいぼう)を執り、右下方を凝視する。この特異な画像は、調伏(ちょうぶく)のために修される転法輪法(てんぼうりんほう)(笠懸(かさがけ)法)の本尊として用いられた。動性を強調する図様であることや、着衣や金具に金泥を厚く盛り上げる手法から、鎌倉時代も半ば以降の制作と推測される。吉田山一乗院伝来。