- 財団創立80周年記念特別展
根津美術館の国宝・重要文化財 - 2020年11月14日(土)~12月20日(日)
休館日 | 毎週月曜日 ただし、11月23日(月・祝)は開館、翌24日(火)は休館 |
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開館時間 | 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで) |
入場料 | 一般1500円 学生1200円 *障害者手帳提示者および同伴者は200円引き、中学生以下は無料 |
会場 | 根津美術館 展示室 1・2・3・4・5・6・ホール |
実業家・初代根津嘉一郎(1860~1940)が蒐集した日本・東洋の古美術品を公開し、未来に継承するために、2代目嘉一郎が財団法人根津美術館を設立したのが昭和15年(1940)。創立80周年の今年は、奇しくも文化財保護法が制定されて70年目の年でもあります。同法に則って指定された根津美術館の国宝は7件、重要文化財は88件を数え、初代嘉一郎の鑑識眼の確かさを裏付けています。
節目の年に、根津美術館の収蔵品の根幹をなす指定品95件をすべてご披露する展覧会を企画しました。海外流出を愁い、使命感をもって集められた名品の数々をご堪能ください。
【ご注意】 尾形光琳「燕子花図屏風」の展示は、12/1(火)から12/13(日)までとなっております。
主な展示作品のご紹介です。出品リスト(PDF)のダウンロードはこちらから。
- 漁村夕照図 牧谿筆
- 中国・南宋時代 13世紀 根津美術館蔵
- 南宋の画僧・牧谿が中国江南の景勝地を描いた「瀟湘八景」のうちの一図。江南地方特有の湿潤な空気と夕暮れの光を、水墨の濃淡のみで劇的に描いた名品で、足利義満の所蔵印が捺される。牧谿画は日本の画人に多大な影響を与え、水墨画の規範となった。
【展示期間】 11/14(土)-11/29(日)
- 燕子花図屏風 尾形光琳筆
- 日本・江戸時代 18世紀 根津美術館蔵
- 大画面に堂々と、かつリズミカルに描かれ、圧倒的オーラを放つカキツバタの群生。発色の良い上質な群青や緑青のふんだんな使用も、その印象を強めている。尾形光琳(1658〜1716)が画業の最初にたどりついた芸術的頂点である。
【展示期間】 12/1(火)-12/13(日)
- 藤花図屏風 円山応挙筆
- 日本・江戸時代 安永5年(1776) 根津美術館蔵
- 幹は一気呵成の筆さばきながら立体感を備え、花房は精緻な点描でまるで宝石のようだ。高度な技法で写生と装飾を融合した円山応挙(1733〜95)の真面目。
【展示期間】 12/15(火)-12/20(日) - 幹は一気呵成の筆さばきながら立体感を備え、花房は精緻な点描でまるで宝石のようだ。高度な技法で写生と装飾を融合した円山応挙(1733〜95)の真面目。
- 夏秋渓流図屏風 鈴木其一筆
- 日本・江戸時代 19世紀 根津美術館蔵
- 濃密に描きこまれた画面の随所に、非現実的な感覚がにじむ。江戸琳派の鬼才・鈴木其一(1796~1858)の代表作。本年、新たに重要文化財に指定された。
【展示期間】 11/14(土)-11/29(日) - 濃密に描きこまれた画面の随所に、非現実的な感覚がにじむ。江戸琳派の鬼才・鈴木其一(1796~1858)の代表作。本年、新たに重要文化財に指定された。
- 那智瀧図
- 日本・鎌倉時代 13~14世紀 根津美術館蔵
- 那智山を一直線に落ちる瀧を描くこの縦長の作品は、ご神体としての那智瀧を表すだけでなく、仏教が説く観音の権現(姿を変えたもの)をも意味している。日本独自の自然観や信仰のあり方を示す宗教画の最高峰として名高い。
- 宗峰妙超墨蹟 法語
- 日本・鎌倉時代 元亨2年(1322) 根津美術館蔵
- 京都・大徳寺を開いた禅僧、宗峰妙超(大燈国師、1282~1337)の書。冬至の前日に行われた説法で述べた言葉を、弟子の宗円禅人に書き与えた。41歳の時に書いた、大燈の遺墨中でも早い時期の作例として貴重である
- 十一面観音菩薩立像龕
- 中国・唐時代 8世紀 根津美術館蔵
- 唐の女帝・則天武后によって造像された宝慶寺石仏群のうちの一つ。均整のとれた体軀や写実性の高い面貌表現は、初唐最末期の高度な造像技術を明確に示している。
- 饕餮文方盉
- 中国・殷時代 前13~前12世紀 根津美術館蔵
- 酒を注ぐための器で、殷王朝遺跡の王墓から発掘されたと伝わる。三点一組での出土は極めて珍しく、類品の中では最大級の偉容を誇る。
- 春日山蒔絵硯箱
- 日本・室町時代 15世紀 根津美術館蔵
- 足利義政遺愛品と伝えられる、室町時代の蒔絵の最高技術が結集した硯箱。蓋の表裏に描かれた情景とそこに溶け込むように散らされた文字から、見る者に『古今集』所収の壬生忠岑の歌を読み解かせる、機知に富んだ意匠である。
- 色絵山寺図茶壺 野々村仁清作
- 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵
- 日本の茶人に好まれた、中国から輸入された褐色の釉がかかった茶壺の形を借りつつ、仁清は華やかな色絵と金銀彩の小振りな茶壺を作った。有力大名・丸亀藩京極家の注文で仁清が制作した一連の茶壺の1つである。