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企画展
古筆切
分かち合う名筆の美 - 2024年12月21日(土)~2025年2月9日(日)
休館日 | 毎週月曜日 ただし1月13日(月・祝)は開館、翌14日(火)休館。年末年始12月27日(金)から1月6日(月)まで休館。 |
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開館時間 | 午前10時~午後5時(入館は閉館30分前まで) |
入場料 |
オンライン日時指定予約 一般1300円 学生1000円 *障害者手帳提示者および同伴者は200円引き、中学生以下は無料 |
会場 | 根津美術館 展示室1・2 |
古筆は、本来古の人の筆跡という意味ですが、狭義には平安から鎌倉時代に書かれた歌集などの和様の書をさします。平安時代には、貴族らは書に秀でた人に『古今和歌集』をはじめとする勅撰和歌集や私家集などの書写を依頼し、贈答品や調度品としました。こうした当代一流の能書家によって写された歌書などが、室町時代以降の茶の湯の流行や鑑賞のために一紙や一頁、場合によっては数行単位で切断・分割されるようになります。それが古筆を切断した断簡、すなわち古筆切です。
本展では、当館の所蔵に新たに加わった重要文化財「高野切」を含む、平安から鎌倉時代にかけて書かれた、館蔵の古筆切を中心に展示します。それぞれに個性的な魅力を放つ名筆の美をお楽しみください。
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高野切(古今和歌集 巻第十九断簡)
伝 紀貫之筆 - 1幅 彩箋墨書
- 日本・平安時代 11世紀
根津美術館蔵
- 当館に新たに収蔵された『古今和歌集』巻第十九の旋頭歌(せどうか)4首が書かれた1幅。高野切は現存する『古今和歌集』の最古の書写本としても貴重である。この断簡はいわゆる第三種の書風に分類され、軽快でのびやかな筆線が雲母砂子を全面に撒いた料紙に映える。
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古今和歌集
藤原為氏筆 - 1帖 紙本墨書
- 日本・鎌倉時代 13世紀
根津美術館蔵
- 初の勅撰和歌集『古今和歌集』は、歌の規範として特に尊ばれ、手本や贈答品として多数書写された。一方でこの冊子のようにテキストを正しく伝える目的で書かれたものもある。奥書により、筆者やおおよその書写時期などがわかる点でも貴重。
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石山切(貫之集下断簡)
藤原定信筆 - 1幅 彩箋墨書
- 日本・平安時代 12世紀
根津美術館蔵 小林中氏寄贈 - 「本願寺本三十六人家集」のうち、「貫之集下」は昭和4年(1929)に分割された。金銀の砂子を散らし、銀泥で下絵を施した彩箋に、藤原定信(1088−1154)により、スピード感ある巧みな書がしたためられる。
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今城切(古今和歌集 巻第二十断簡)
藤原教長筆 - 1幅 彩箋墨書
- 日本・平安時代 12世紀
根津美術館蔵 - 装飾を施さない素紙または薄茶や藍の染紙を綴じた冊子本の断簡。奥書の後半部の断簡と、全文を写した記録の発見により、筆者が藤原教長(1109-80)と判明した稀な例。