- 日本・鎌倉時代 13~14世紀
- 絹本着色 1幅
- 縦160.7cm 横58.8cm
- [10001]
熊野三所権現のひとつである飛瀧権現(ひろうごんげん)を表す、垂迹画(すいじゃくが)の名品。上方の岩峰には月輪がかかり、下方には、杉の樹幹が屋根を貫く拝殿、その傍らに大きな卒塔婆(そとうば)が表される。これが弘安4年(1281)、亀山上皇参詣の折に建立された碑伝であれば、本図の制作はそれからまもない時期となる。神体である滝のみを描いた唯一の垂迹画として、また、墨と金泥により岩壁を描写する手法などに中国宋元絵画の影響が看取される風景画として、本図は重要な作例である。