美術館について
美術館について
初代 根津嘉一郎 根津美術館は、東武鉄道の社長などを務めた実業家・初代根津嘉一郎(1860~1940)が蒐集した日本・東洋の古美術品コレクションを保存し展示するために、その長男・二代嘉一郎により設立された美術館です。
山梨県に生まれた初代嘉一郎は、若い頃から古美術を好んでいましたが、本格的な蒐集を始めたのは明治29年(1896)東京に本拠を移してからです。実業家、政治家、また教育界にも活躍の場を広げるかたわら、明治以降の海外流出も憂いて精力的に蒐集するとともに、国の内外からの求めに応じてしばしば自邸で美術品を公開しました。明治42年(1909)に渡米実業団の一員として米国各地で公共施設に多額の寄付を行う文化を目にしたことは、美術館構想のきっかけとなったようです。
その遺志を継いだ二代根津嘉一郎が、昭和15年(1940)に財団を創立、翌昭和16年(1941)に根津家の私邸があった現在の場所に根津美術館が開館しました。昭和20年の空襲で展示室や茶室などその大部分を焼失しましたが、美術品を「衆とともに楽しむ」ことを願った先代の思いを受け継ぎ、早くも21年秋には焼け跡のバラックで展覧会を再開。昭和29年に美術館本館の再建を果たし、昭和39年には増築、平成3年(1991)には創立50周年記念事業としてさらに増改築を行いました。
二代の長男である現館長・根津公一(1950〜)のもと、平成18年(2009)には3年半をかけ、3つの蔵と旧本館を取り壊し、建物免震の収蔵庫、隈研吾氏設計の新本館、NEZUCAFÉを竣工。バリアフリーを意識した庭園の整備も行いました。
昭和15年の財団設立当時、4,643点でスタートした当館の所蔵品の数は、2025年3月末の時点で、7,630件を数えるにいたっています。これらのうちには、国宝7件、重要文化財93件、重要美術品95件がふくまれています。
大部分を占める初代嘉一郎の旺盛な蒐集の成果は、個人コレクションとしては珍しく書蹟・絵画・彫刻・陶磁・漆工・金工・染織など日本・東洋古美術の広いジャンルにわたり、また晩年自ら青山(せいざん)と号して茶の湯を楽しむなかで集めた茶の道具の数々も、コレクションの重要な柱となっています。
初代嘉一郎没後に購入された作品、さらに、篤志家から寄贈された作品もあります。ことに作品寄贈の多さは、当館に対する信頼の厚さを示しているといえます。近年、所蔵品の重要文化財指定も相次ぎ、当館コレクションの質の高さを裏付けています。
かつての蔵(収蔵庫) 本館建物と設備・施設について
2009年に新創された、和風家屋を思わせる大屋根が印象的な本館は、現代日本を代表する建築家隈研吾氏の設計によるもので、地上2階・地下1階の構造です。館内は延べ床面積約4000㎡。竹に囲まれた静謐なアプローチからエントランスホール、そしてそれに続くスペースには、多岐にわたる当館の所蔵品をご覧いただくために、趣の異なる6つの展示室が設けられています。
展示室では、絹や和紙、漆といったデリケートな素材からなる東洋の古美術品を展示し、かつ鑑賞者にとっても快適な環境を調えました。展示ケース内の照明は現在はすべてLED(発光ダイオード)になっています。8万個のLEDは、光の明暗だけでなく、太陽のような白い光から和ろうそくの暖かな光まで、それぞれの作品に適した調光を可能にしました。ケースには透明性の高いガラスを採用し、まるで目の前にあるかのように作品をご鑑賞いただけます。
ミュージアムショップでは、当館コレクションのモチーフやデザインから生まれたオリジナルグッズをとりそろえ、古美術を楽しむ日常をご提案しています。地階の講堂では、展覧会に関連した講演会やワークショップなどさまざまな催しを行なっております。
本館から一歩外に出ると、そこにはNEZUCAFÉ や4棟の茶室を含む17,000㎡におよぶ庭園が広がっています。四季折々に憩いのひとときをお過ごしください。


- 敷地面積
- 21,625㎡
本館
- 施設構成
- 地上2階、地下1階
- 延床面積
- 4,014㎡
- 展示室床総面積
- 1,288㎡
- 展示室1
- 383㎡
- 展示室2
- 144㎡
- 展示室3
- 44㎡
- 展示室4
- 150㎡
- 展示室5
- 142㎡
- 展示室6
- 166㎡
- ショップ面積
- 57㎡
- 講堂面積
- 163㎡
庭園内施設
NEZUCAFÉ
- 施設構成
- 地上1階、地下1階
- 延床面積
- 168㎡
- 客席部分面積
- 78㎡(45席)
茶室等
- 弘仁亭・無事庵
- 閑中庵・牛部屋
- 披錦斎・一樹庵
- 斑鳩庵・清渓亭
- 薬師堂
設計・施工等
本館・NEZUCAFÉ
- 設計・監理
- 隈研吾建築都市設計事務所
- 施工
- 清水建設株式会社
展示室設備
- ケース設計・制作・施工
- コクヨオフィスシステム株式会社
- 照明設計・制作
- 株式会社キルトプランニングオフィス
- 展示室6内 茶室設計・施工
- 東京心傳庵
- 庭園施工・管理
- 有限会社晴風苑
その他
- 太陽光発電
- 本館屋根上(14m × 23.8m)にソーラーシステム(パネル252枚、45kw)を設置
本館の天井
展示室4のケース
展示室6の茶室ケース
茶室口(地階から庭園へ)
屋根上のソーラーパネル
ロゴについて
2009年にドイツ人デザイナー、ペーター・シュミット氏によって制作された現在のロゴマークは、頭文字のNとMを意匠化したシンボルマークに当館が収蔵する「燕子花図」をはじめとする屏風や健やかに伸びる竹のイメージを重ね、館名は中国漢時代の碑文から採字した隷書体とアルファベットを組み合わせました。伝統をふまえつつ現代を生き、さらに未来に向かう根津美術館を象徴しています。2009年レッド・ドット・デザイン賞受賞。
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