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企画展
繡と織
華麗なる日本染織の世界 - 2023年12月16日(土)~2024年1月28日(日)
休館日 | 毎週月曜日、12月25日から1月4日まで、年末年始休館 |
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開館時間 | 午前10時~午後5時 |
入場料 |
オンライン日時指定予約 一般1300円 学生1000円 *障害者手帳提示者および同伴者は200円引き、中学生以下は無料 |
会場 | 根津美術館 展示室1・2 |
多様な織と繡(刺繡)は、染織品の加飾技法の中でも古くから日本では格式高いものとして捉えられました。また時代がくだると、刺繡は染と組み合わせられて小袖を彩り、重厚な織は能装束に多用されました。
根津美術館のコレクションの礎を築いた初代根津嘉一郎(1860~1940)は、古美術品の豪快な蒐集で名を馳せましたが、その意欲は染織品にも向けられました。本展覧会では、嘉一郎の蒐集品を中心に、法隆寺や正倉院伝来の上代裂、袈裟や打敷などの仏教染織、唐織や縫箔といった能装束、そして江戸時代の小袖まで、幅広い時代の染織品の中から、織と刺繡の技が光る作品をご紹介いたします。
一年で最も大きな節目である年末年始、華やかかつ厳かな染織品の数々をお楽しみください。
主な展示作品のご紹介です。出品リスト(PDF)のダウンロードはこちらから。
- 唐織 金地枝垂桜花車模様
- 1領
- 日本・江戸時代 19世紀
根津美術館蔵 - 八重の枝垂桜に花車を組み合わせた大ぶりの模様を、段ごとに向きを変えてあらわしている。唐織は能装束の中でもとりわけ豪華なものが多いが、ことに平金糸を全面に織り込んだ総金地の本作は、絢爛さと格調の高さを兼ね備える。
- 上代裂 緑地草花文刺繡
- 1枚
- 日本・奈良時代 8世紀
根津美術館蔵 - 緑の綾地に刺繡で華やかな唐花風の草花文をあらわした三角形の裂。これは、仏殿の内外を荘厳するための幡の最上部を飾った幡頭と考えられる。
- 着付 紅地鱗向い鳥丸模様
- 1領
- 日本・桃山~江戸時代 17世紀
根津美術館蔵 - 鱗文と向い鳥丸文を、大胆な色づかいで大きく繡いあらわした能装束。渡し繡の技法や袖幅が身頃よりも狭い形態は、桃山時代から江戸時代初期の小袖の特徴を示す。表着の下に隠れる着付でありながら全面に凝った刺繡が施されている点が心憎い。初公開。
- 振袖 綸子地桐鳳凰模様
- 3領
- 日本・明治時代 19世紀
根津美術館蔵 - 白・紅・黒と地色を変えて、同じ模様を刺繡と鹿子絞であらわした振袖。武家で重んじられた婚礼衣装の様式を、豪商が踏襲して仕立てたものであろう。