企画展
甲冑・刀・刀装具
光村コレクション・ダイジェスト- 2023年9月2日(土)~10月15日(日)
休館日 | 毎週月曜日、ただし9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開館、9月19日(火)、10月10日(火)は休館 |
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開館時間 | 午前10時~午後5時 |
入場料 |
オンライン日時指定予約 一般1300円 学生1000円 *オンライン日時指定予約は、8月29日(火)午後1時より受付を開始する予定です。 *障害者手帳提示者および同伴者は200円引き、中学生以下は無料 |
会場 | 根津美術館 展示室1・2 |
明治42年(1909)、初代根津嘉一郎は3000点以上におよぶ刀剣・刀装具のコレクションを、実物を見ることなく一括購入しました。自身に刀剣の趣味はないものの、苦心の大蒐集だから買ったといいます。それが、実業家・光村利藻(みつむらとしも)(号 龍獅堂(りゅうしどう)・1877~1955)のコレクションです。
利藻の蒐集は、長男・利之(としゆき)の初節句のために本物の甲冑と太刀を購入したことにはじまります。明治30年(1897)、20歳の時です。驚くことに、彼の膨大なコレクションは、それからわずか10年ほどで形成されています。しかも、質も資料性も非常に高い作品群です。
今回の展覧会では、現在当館で所蔵する約1200点の中から選りすぐった作品を、初めて甲冑を交えて紹介します。単なる愛好家にとどまらない、金工技術を支えた利藻の活動を知っていただく機会にもなることを願っています。
主な展示作品のご紹介です。出品リスト(PDF)のダウンロードはこちらから。
- 浅葱紺糸威胴丸具足(あさぎこんいとおどしどうまるのぐそく)
- 1領
- 日本・江戸時代 18-19世紀
根津美術館蔵 - 浅葱糸と紺糸を段威とした丁寧な仕立ての胴丸。兜の鉢裏に江戸の甲冑師「明珍式部紀宗介」の銘がきられている。金具にあしらわれた家紋と同じ紋の流れ旗も付属する。
- 太刀 銘 長光(ながみつ)
- 1口
- 日本 鎌倉時代・13世紀
個人蔵 - 利藻が蒐集した刀剣は新古、大小2000口におよんだともされるが、その全体像は不明である。現在根津美術館に遺る刀剣は、古刀では備前、新刀では京・大坂の作品が多い傾向がある。長光は備前長船(びぜんおさふね)派を確立した名工で、本作は晩年の、丁子(ちょうじ)に互(ぐ)の目を交えた刃文の典型作である。
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早蕨金具脇指拵(さわらびかなぐわきざしこしらえ)
海野勝珉(うんの しょうみん)作 - 1具
- 日本・明治時代 20世紀
根津美術館蔵 - モダンな早蕨文で統一された、さやの先がとがった突兵拵(とっぺいこしらえ)の総金具。海野勝珉(1844~1915)は利藻がその技術に傾倒し、もっとも多くの作品を委嘱した水戸金工の名匠で、帝室技芸員に選出されている。
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地獄太夫図鐔(じごくだゆうずつば)
府川一則(二代)作 - 1枚
- 日本・明治時代 明治36年(1903)
根津美術館蔵 - 髑髏(どくろ)の形が印象的な鐔。打掛の地獄模様と髑髏がそれぞれ象徴する、遊女・地獄大夫と一休宗純をめぐる話は当時人気の画題であった。府川一則(二代、1855~1919)は東京の金工で、内国勧業博覧会等での受賞も多い。