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企画展
物語る絵画 - 2023年7月15日(土)~8月20日(日)
休館日 | 毎週月曜日、ただし7月17日(月・祝)は開館し、翌18日(火)は休館 |
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開館時間 | 午前10時~午後5時 |
入場料 |
オンライン日時指定予約 一般1300円 学生1000円 *障害者手帳提示者および同伴者は200円引き、中学生以下は無料 |
会場 | 根津美術館 展示室1・2 |
源氏物語や平家物語など人気を博した物語は、成立後ほどなくして絵画化がはじまったと考えられています。冊子の挿絵から絵巻物や画帖へ、さらには絵のみが独立して掛軸や屏風などの大画面にも描かれるようになりました。それらは複数の場面を組み合わせたものもあれば、特定の一場面のみが画題として定着したものもあり、表現形式は多種多様です。
この展覧会では、物語の範囲を仏教説話や能、幸若舞(こうわかまい)やお伽草子などにまで広げています。絵画化されたさまざまな物語を味わいながら、いにしえの人々が物語のどのような場面に心惹かれたのかということにも注目していただければと思います。
主な展示作品のご紹介です。出品リスト(PDF)のダウンロードはこちらから。
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涅槃図(部分)
行有(ぎょうゆう)・専有(せんゆう)筆 - 1幅 絹本着色
- 日本・南北朝時代 康永4年(1345)
根津美術館蔵 - 涅槃図は釈迦がインド・クシナガラの跋堤河(ばっだいが)のほとりで亡くなる情景を描いたもの。母の摩耶夫人(まやぶにん)が天から駆けつける様子や、弟子・俗人・動物たちが悲嘆にくれる様子を表す。軸木の墨書銘名から制作年と筆者が明らかな基準作。
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妖怪退治図屏風(部分)
伝岩佐又兵衛筆 - 8曲1隻 紙本金地着色
- 日本 江戸時代・17世紀
個人蔵 - 能の『田村』で語られる、田村丸(坂上田村麻呂)の鬼退治の場面であることが最近判明した。鬼神たちに降りかかるおびただしい矢は、白旗の上方に現れた千手観音の手から放たれたもの。観音の存在を金泥の光線が暗示する。
- 浮舟図屏風
- 6曲1隻 紙本着色
- 日本・江戸時代 17世紀
根津美術館蔵 - 恋する浮舟を宇治の山荘から連れ出した匂宮は、小舟で対岸の別荘へと向かう。舟を大きく斜めにとらえた不安定な構図が、浮舟の行く先の運命を象徴する。
- 舞の本断簡 <張良>
- 433丁のうち 紙本着色
- 日本・江戸時代 17世紀
根津美術館蔵 - 鼓に合わせて謡い舞う、幸若舞の台本(舞の本)に絵を加えた冊子本。42演目を1セットとして誂えられたが、各丁ごとに切り離され、詞のみの丁は失われている。絵画化されることが少ない曲を含む点で貴重な遺品である。初公開。