- 企画展
かたちのチカラ
素材で魅せる - 2022年2月26日(土)~3月31日(木)
休館日 | 毎週月曜日 ただし3月21日(月・祝)は開館、翌22日(火)休館 |
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開館時間 | 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで) |
入場料 |
オンライン日時指定予約 一般1300円 学生1000円 *障害者手帳提示者および同伴者は200円引き、中学生以下は無料 |
会場 | 根津美術館 展示室1・2 |
文様をちりばめた華やかさとは対照的な、素材を生かしたミニマルな造形の美しさも工芸ならではの魅力です。
本展覧会では特に漆工に注目します。根津美術館のコレクションを軸に、第一に塗膜の美しさを引き立てる中国・宋元時代の洗練を極めた完璧なかたち、第二に長年の使用に耐えた結果、塗膜の摩耗にさえも美が見いだされることになった日本の用を追究したかたち、第三に茶の湯における名脇役としてのかたち、という三つの切り口でその魅力に迫ります。
そして、これらを陶磁や金工の優品と共に展観することで、かたちと素材の魅惑の世界をご堪能いただきたいと思います。
主な展示作品のご紹介です。出品リスト(PDF)のダウンロードはこちらから。
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①黒漆輪花椀
②青白磁輪花碗 - ①中国・北宋時代 12世紀 根津美術館蔵
永田牧子氏寄贈
②中国・北宋時代 11~12世紀 個人蔵 - 北宋時代の素材違いのほぼ同形の器。口縁を輪花のかたちにつくることは金属器にも見られ、漆器も磁器もそれを写して制作されたと考えられている。いずれも胎が非常に薄くつくられており、洗練されたフォルムには緊張感がみなぎる。
- 朱漆盤
- 日本・鎌倉時代 永仁6年(1298) 根津美術館蔵
- 毎年3月1日から14日まで、東大寺二月堂では修二会が執り行われる(お水取り)。その間、参籠し行法に従事する僧侶・練行衆の正式な食事は、1日1食。その下膳に朱漆塗りの盤が用いられる。永仁6年銘の盤は現在21枚が確認され、長年の使用による塗り肌の風合いが賞玩される。
- 青磁竹子花入
- 龍泉窯
- 中国・南宋時代 13世紀 根津美術館蔵
- 竹子花入とは、頸部と胴部にめぐらせた条線を筍の節に見立てた日本での呼称。均整のとれたかたちと釉色の美しさは、竹子花入の中でも屈指の名品。
- 緋襷鶴首花入
- 備前
- 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵
- 重量感のある胴からすらりと伸びた首が傾いでいるのは、故意とも偶然ともいわれる。個性的なかたちと土の魅力をダイレクトに味わえる焼き締めの肌とが相まって、独特の力強さを発している。