- 開館80周年記念特別展
国宝燕子花図屏風 【閉幕】
色彩の誘惑 - 2021年4月17日(土)~5月16日(日)
休館日 | 毎週月曜日 ただし5月3日(月・祝)は開館 |
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開館時間 | 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで) |
夜間開館 | 夜間開館は中止となりました。 |
入場料 | オンライン日時指定予約 一般1500円 学生1200円 当日券(窓口販売) 一般1600円 学生1300円 *当日券は、予定枚数の販売が終了している場合があります。 *障害者手帳提示者および同伴者は200円引き、中学生以下は無料。 |
会場 | 根津美術館 展示室1・2 |
尾形光琳(1657~1716)の「燕子花図屏風」は、カキツバタの群生を、金箔を貼った大画面に群青[ぐんじょう]と緑青[ろくしょう]の二種の絵具のみを使って描いた作品です。
これら青と緑と金(黄)の三色は、しばしば組み合わされて、日本・東洋において特別な伝統を有する色でした。その一方、本作品の色彩感には、江戸時代ならではの美意識が反映していると見ることもできます。
本展覧会では、紺紙金泥経や、青や緑を主調とする画面に金彩が加わった中世の仏教絵画、あるいは唐時代以来の金碧[きんぺき]山水などと、この三色が活躍する清新な古九谷や黄瀬戸など同時代の陶芸作品、さらに、色彩傾向を同じくする金屏風の数々をあわせて展示することで、「燕子花図屏風」に新しい光を当てることを試みます。
主な展示作品のご紹介です。出品リスト(PDF)のダウンロードはこちらから。
- 陰持入経(神護寺経)
- 1巻 日本・平安時代 12世紀 根津美術館蔵
- 写経での染紙の使用は当初、防虫効果を期待するものだったが、やがて経典を荘厳するため、藍で青く染めた紙に金泥で文字を書くのが一つの典型となる。
- 春日宮曼荼羅
- 1幅 日本・鎌倉時代 14世紀 根津美術館蔵
- 背後にはこんもりとした御蓋山、緑豊かな春日野に抱かれた社殿。まっすぐ伸びる参道にほどこされた金泥は、ここが浄土であることを表す。
- 燕子花図屏風 尾形光琳筆
- 6曲1双 日本・江戸時代 18世紀 根津美術館蔵
- 京都の高級呉服商に生まれた光琳は、文様と色に囲まれて育った。発色の良い高価な絵具を使う機会を得て、その心は高揚したに違いない。
- 四季竹図屏風
- 6曲1隻 日本・室町時代 16世紀 個人蔵
- 四季のうつろいと循環する時間を、常緑の竹に託して描く。無背景の金地に単一植物を描く屏風の始まりは、室町時代のやまと絵に求められる。
- 色絵葡萄文大平鉢
- 1枚 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵
- 青や緑に鮮やかな黄色が映えるやきものは、舶載された華南三彩の影響を想像させる。「燕子花図屏風」と同じ三色が、ここではエキゾティックな魅力を発している。
- 黄瀬戸宝珠香合
- 1合 日本・桃山時代 16~17世紀 根津美術館蔵
- ベースの黄色にしばしば緑がアクセントになる黄瀬戸の洒落た色彩感も、江戸時代前期の美意識が反映していよう。