- 企画展
酒呑童子絵巻
鬼退治のものがたり - 2019年1月10日(木)~2月17日(日)
休館日 | 毎週月曜日 ただし1月14日(月・祝)、2月11日(月・祝)は開館、翌1月15日(火)、2月12日(火)は休館 |
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開館時間 | 午前10時~午後5時 (入館は午後4時30分まで) |
入場料 | 一般1100円 学生800円 *20名以上の団体、障害者手帳提示者および同伴者は200円引き、中学生以下は無料 |
会場 | 根津美術館 展示室1・2 |
都の貴族の娘たちを次々に略奪する酒呑童子という鬼を、源頼光・藤原保昌および、渡辺綱や坂田金時ら四天王が退治 する物語は14世紀には成立しており、多くの絵巻物や奈良絵本に描かれて普及しました。鬼の住みかによって、大江山系と伊吹山系の2系統に分類されています。根津美術館が所蔵する3種類の「酒呑童子絵巻」はいずれも16世紀以降の伊吹山系の作品ですが、それぞれ画風も制作年代も異なります。なかでも、19世紀の住吉派の絵師が描いた8巻本は、前半の4巻に酒呑童子の生い立ちの物語を加えているのが特徴で、今回はじめてその全貌を紹介いたします。各作品の表現の違いをお楽しみください。
主な展示作品のご紹介です。出品リスト(PDF)のダウンロードはこちらから。
- 酒呑童子絵巻 住吉弘尚筆
- 絹本着色 日本・江戸時代 19世紀 根津美術館蔵
- 近江の郡司の娘と伊吹明神との間に生まれた子(後の酒呑童子)は、3歳から酒を飲んだため比叡山に修行に出され、伝教大師の指導で酒を断つ。が、宮廷の慶事に鬼の舞を舞った褒美に酒をふるまわれて本性がよみがえり、山を追われる。真っ赤な仮面で舞うのが童子。(巻第3・第3段)
- 酒呑童子絵巻 住吉弘尚筆
- 絹本着色 日本・江戸時代 19世紀 根津美術館蔵
- 頼光たちは、住吉、熊野、八幡の神々から授けられた毒酒を鬼に勧めて泥酔させ、襲い掛かった。討ち取った鬼の首は飛び上がり、執念深くも頼光の頭にかみつくが、三神より授かった兜がそれを防いだ。狩野派の同場面に比べると表現がおとなしい。(巻第8・第2段)
- 酒呑童子絵巻
- 紙本着色 日本・室町時代 16世紀 根津美術館蔵
- 頼光らが迫りくるのも知らず、多くの女房を侍らせて高いびきをかいて熟睡する酒呑童子。大きな口を開けた寝顔がなんともかわいらしい。(第5段)
- 酒呑童子絵巻 伝狩野山楽筆
- 紙本着色 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵
- 酒呑童子の住む屋敷の庭は、春夏秋冬の季節で東西南北の四方を囲まれていた。画面の中に描かれた絵を含め、花鳥表現が入念であるのがこの絵師の特徴である。(中卷・第2段)