- 特別展
光琳と乾山
芸術家兄弟・響き合う美意識 - 2018年4月14日(土)~5月13日(日)
休館日 | 毎週月曜日 ただし4月30日(月)は開館 |
---|---|
開館時間 | 午前10時〜午後5時 (入館は午後4時30分まで) |
夜間開館 | 5月8日(火)~13日(日) 午後7時まで開館 (入館は午後6時30分まで) |
入場料 | 一般1300円 学生1000円 *20名以上の団体、障害者手帳提示者および同伴者は200円引き、中学生以下は無料 |
会場 | 根津美術館 展示室1・2・5 |
尾形光琳(1658~1716)は、江戸時代のなかばに、日本美術における装飾の伝統を現代のデザインに伯仲する次元にまで高めた画家であり、意匠作家です。小袖の模様を思わせる図様を大画面に適用した「燕子花図屏風」は、そんな光琳の真骨頂を示す作品です。
一方、光琳の弟である乾山(1663~1743)は、やきものの世界に新風を巻き起こした陶芸家です。日本や中国、さらに西洋におよぶ様々なやきものを学びつつ、自らの趣味嗜好をも反映させた多彩な作品を世に送りだしました。乾山の存在により、陶工は芸術家になったと言えます。
本展覧会は、美術史上類まれな二人の芸術家兄弟において展開した豊かな造形、ときに相反し、ときに響き合う美の世界を展観し、そこにどのような美意識の交流があったのかを探り、ひいては光琳と乾山それぞれの魅力を見つめ直そうとするものです。
主な展示作品のご紹介です。出品リスト(PDF)のダウンロードはこちらから。
- 燕子花図屏風 尾形光琳筆
- 紙本金地着色 日本・江戸時代 18世紀 根津美術館蔵
- 画家としてのスタートが遅かった光琳が40歳代なかばに到達した最初の芸術的頂点。花に用いられたたっぷりとした群青や、葉を表すシャープな筆使いによる緑青が、平面性の強い図様に絵画としての厚みや勢いを与えている。
- 鵜舟図 尾形光琳筆
- 絹本墨画淡彩 日本・江戸時代 18世紀 静嘉堂文庫美術館蔵
- 「燕子花図屏風」と同時期の作。狩野派風の繊細優美な水墨淡彩に、宗達風の緩やかな線描が組み合わされている。謡曲「鵜飼」に取材したと考えられる。
- 銹絵寒山拾得図角皿 尾形乾山作・尾形光琳画
- 施釉陶器 日本・江戸時代 18世紀 京都国立博物館蔵
- 巻物を広げる寒山と箒を持つ拾得。粗放な筆致であえて稚拙な味わいを狙っている。文人でもあった乾山との合作だからこそ到達し得た画境と言える。
- 銹絵染付金彩絵替土器皿 尾形乾山作
- 施釉陶器 日本・江戸時代 18世紀 根津美術館蔵
- 下地の梅花文の中に繰り返される梅、陽光きらめく海原をゆく帆掛け船、流れる雲を背景とする八重葎、満月に照らされる薄、流水に浮かぶ菱。手で成形した素朴な皿に、技法も意匠も凝ったデザインがほどこされている。
- 定家詠十二カ月和歌花鳥図 九月 尾形乾山筆
- 紙本着色 日本・江戸時代 寛保3年(1743) 根津美術館蔵
- 藤原定家が十二ヶ月の花木と鳥を詠んだ和歌を基に描いた作品。その魅力は、素人性を留めた画趣と、自賛の書が画と共にかたちづくる書画一致の世界にある。
- 武蔵野隅田川図乱箱 尾形乾山作
- 木製着色 日本・江戸時代 寛保3年(1743) 大和文華館蔵
- 浅い木製の箱の見込みに蛇籠と波濤と千鳥、側面と裏面には多彩色で薄を描く。光琳風の意匠と乾山ならではの素朴な筆致が融合する。81歳、没年の作。
- 2018年4月28日(土)
- スペシャルトーク「光琳と乾山 美意識はどのように響き合ったか」
- 2018年4月17日(火)、
27日(金) - モーニングレクチャー
- 2018年5月8日(火)
- イブニングレクチャー
- 2018年5月10日(木)
- 能管(笛)による仕舞「杜若」