- 小川破笠(おがわはりつ)・土屋安親(つちややすちか)作
- 日本・江戸時代 18世紀
- 1合
- 高9.9cm 奥行26.0cm 幅12.0cm
- [50059]
杉木地で作られた長四方の硯箱で、蓋表に銅板の打出しで薄に芙蓉と蝶をあらわしている。芙蓉の花や薄の穂には金の薄板を貼り、蝶は銀の板を嵌(は)め込んでいる。蓋裏には黒漆塗りの地に金蒔絵で竹をあらわし、その先にとまる蜻蛉(とんぼ)は螺鈿(らでん)であらわされている。本作は蓋表が江戸中期の彫金師で奈良派の名工である土屋安親(つちややすちか)(1670~1744)、蓋裏の蒔絵が奇想の蒔絵師として知られる小川破笠(おがわはりつ)(1663~1747)の手になる合作で、津軽家に伝来した。津軽藩主津軽信寿(のぶひさ)と、土屋安親、小川破笠の交流がうかがわれる作品である。