- 藤原定信(ふじわらのさだのぶ)筆
- 日本・平安時代 12世紀
- 彩箋墨書 1幅
- 縦19.5cm 横15.0cm
- [00067]
濃い縹色(はなだいろ)の染紙に金銀の砂子を散らし、銀泥で鳥や折枝の下絵をほどこした豪華な料紙に、源順(みなもとのしたごう)の和歌を流動美あふれる筆跡で書写したこの「岡寺切」は、「本願寺本三十六人家集」の「順集」の中の1頁分にあたる。1冊の7分の1に相当する36頁分が江戸時代に流出し、破り継ぎのあるものが「糟色紙(かすしきし)」、それ以外のものが「岡寺切」とよばれた。「岡寺切」の名称は大和飛鳥の岡寺に伝来したことによると思われるが詳細は不明。筆者は世尊寺家5代藤原定信(1088?1154-)で、「本願寺本」では、ほかに「貫之集(つらゆきしゅう)・下」(石山切)と「中務集」を担当し、「本願寺本」以外にも一群の遺品がある。