2013/07/26 [NEZUNET会員特別ページ]「曼荼羅展」の主な展示作品


金剛界八十一尊曼荼羅
金剛界曼荼羅の成身会の61尊に20尊を加えた、81尊による曼荼羅。僧円仁(794~864)が請来した曼荼羅の図様をもとに制作された。ほとけの肩の張った体型や、両眼を寄せめがちに表す顔立ちが独特である。宝相華文のやわらかな花弁の表現も美しく、曼荼羅の名品とよぶにふさわしい一本である。


金剛界八十一尊曼荼羅 部分


愛染曼荼羅
愛染明王を主尊とする別尊曼荼羅。肌色の肉身には朱の隈が濃く、エキゾチックな雰囲気を漂わせる。繧繝彩色(同系色を段状に塗り分ける技法)や金泥線を添えた宝相華文が美しい。数少ない愛染曼荼羅の1本であり、鮮やかな彩色をとどめる作品としても貴重である。人々の和合を願う敬愛法の本尊。修復後初めての展示。


愛染曼荼羅 部分


兜率天曼荼羅
釈迦の入滅から56億7千万年の間、弥勒菩薩は兜率天で思惟にふける。本図は、三重の楼門に囲まれた主殿で、弥勒が眷属に囲まれて坐すのを表す。緑や青を基調に、截金や金泥の精緻な文様が、光に満ちた浄土の様相を示す。兜率天浄土を斜め向きの構図に表す例は、日本に数例見出されるのみである。


兜率天曼荼羅 部分