展示室5「女面の魅力 能「杜若」に寄せて」
2025/4/12

女面の魅力 会場風景
17面の女面とともに、「燕子花図屏風」の展示にあわせ、能「杜若(かきつばた)」を思わせる作品を取り合わせています。在原業平を象徴する初冠(ういかんむり)や、その想い人である二条后(高子)を彷彿とする装束をご覧いただきます。

小面
- 日本・江戸時代
- 17~18世紀
- 根津美術館蔵
面は、「可憐」から「老境」まで、女性の人生に沿った7つのコーナーに分けて展示しています。
「小面(こおもて)」は、17歳前後の少女の面貌を写した面。女面の中で最も年若い女性の面持ちを表現しています。広い額や短い鼻筋、顔の中央に寄った目、口、鼻や豊かな肉付きの頬は、あどけない印象を与え、四角くくりぬかれた瞳は溌剌とした生気を感じさせます。

(右端)橋姫
- 焼印「天下一備後」
- 日本・江戸時代
- 17世紀
- 根津美術館蔵
「憤怒」のコーナーには、額の側面から生えた角が特徴的な4面が並びます。額に短い角が付き、大きく左右に開いた口からは小さな牙と舌がのぞく「橋姫」にはじまり、「生成(なまなり)」、「般若(はんにゃ)」、そして「真蛇(しんじゃ)」へと、憤怒の度合いに応じて鬼に近づいてゆきますが、そこには、怒りとともに悲しみの感情が潜んでいることも見逃せません。
