根津美術館所蔵の「黒韋肩取威腹巻」が国の重要文化財に!

2022/11/18

黒韋肩取威腹巻

黒韋肩取威腹巻

  • 1領
  • 日本・室町時代
  • 16世紀

このたび、根津美術館が所蔵する「黒韋肩取威腹巻(くろかわかたどりおどしのはらまき)」が、新たに国の重要文化財に指定される運びとなりました。

腹巻とは、背面から体を入れて引き合わせる形式の鎧のこと。本作は、鹿のなめし革を藍で濃く染めた「黒韋(くろかわ)」 を主体に、立挙(たてあげ)や袖の上部を紅糸、白糸で綴り合せています。札(さね)の大きさや威(おどし)、八重菊の鋲を打った金具など、室町時代の腹巻の典型的な形式を示し、かつ製作当初の姿を残している大変貴重なものです。胸や背面上部が離れた状態で長く保管されていましたが、2019年の組み立てにより当初の姿がよみがえり、このたびの指定に至りました。

当館が所蔵する武具が重要文化財に指定されるのは、今回が初めてとなります。またこれによって、当館の重要文化財の数は89件になります(国宝は7件、重要美術品は95件)。

この作品は2023年に当館で開催される下記の展覧会で展示予定です。

9月2日(土)~10月15日(日)
企画展「甲冑・刀・刀装具-光村コレクション・ダイジェスト-」
※展示内容の詳細は、後日当館ウェブサイトなどでお知らせしてまいります。