展示室3「仏教美術の魅力―日本の小金銅仏と仏具―」
2022/4/16
重要美術品 観音菩薩立像(右) ほか
- 日本・飛鳥時代 7世紀(右) ほか
- いずれも根津美術館蔵
金銅仏とは、銅または青銅で鋳造し、表面に鍍金(金メッキ)を施した仏像のこと。展示の3軀の金銅仏は、右から7世紀半ば、7世紀末、8世紀初頭と数十年ずつ異なり、それにともなって表現も変化します。
たとえば、垂下する天衣(てんね)は、一番右の正面的な捉え方から、真ん中の自然な曲線、さらに左の写実的な表現へと移り変わるの様子が、展示室では如実にわかります。
観音菩薩立像
- 日本・奈良時代 8世紀
- 根津美術館蔵
なかでも一番左、奈良時代の作例は抑揚がありながらも均整のとれた自然な体つきで、各部の有機的な動きも的確に表された優品です。変化に富んだ衣文表現も見事です。
銅錫杖頭(右) 薬師如来像懸仏(左)
- 日本・平安時代 12世紀(右)
- 日本・鎌倉時代 13世紀(右)
- いずれも根津美術館蔵
右の「銅錫杖頭」は、僧侶が携行した杖状の仏具の先端に付ける飾りです。また、懸仏は御神体である鏡に由来するもので、円盤中に仏を表し寺社に吊り懸けられました。薬師如来を表した本作品には、鎌倉時代風の写実的な表現がうかがえます。このたびが、初公開です。