【速報】
「北宋書画精華」展にメトロポリタン美術館からの出品が決定
2023/5/11
孝経図巻(部分)
李公麟筆
- 中国・北宋時代
- 元豊8年(1085)頃
- メトロポリタン美術館蔵
Image: TNM Image Archives
五馬図巻(部分)
李公麟筆
- 重要美術品
- 中国・北宋時代
- 11世紀
- 東京国立博物館蔵
2023年秋に開催する特別展「北宋書画精華」に、メトロポリタン美術館(米国・ニューヨーク市)から、李公麟(りこうりん)「孝経図巻(こうきょうずかん)」と、「畢世長像(ひつせいちょうぞう)〈睢陽五老図巻断簡(すいようごろうずかんだんかん)〉」の2件が出品されることが決定いたしました。
宋時代(960〜1279)は中国書画史における頂点であり、その作品は後世、「古典」とされました。日本でも、南宋時代(1127~1279)の作品を主に、古くから収集の対象とされましたが、北宋時代(960〜1127)の書画も、清朝崩壊にともない流出した作品をアジアにとどめるべく近代日本の実業家が精力的に収集したため、重要な作例が数多く伝わっています。その一つ、北宋を代表する画家・李公麟(1049?〜1106)の幻の真作「五馬図巻(ごばずかん)」が2018年、約80年ぶりに再び姿を現しました。これまでモノクロのコロタイプ印刷のみで知られていたその表現は、意外にも、繊細ながら色彩豊かで、「白描画の名手」という李公麟のイメージを超えるものでした。
この「五馬図巻」をはじめ、日本に伝存する北宋時代の書画の優品を集める特別展「北宋書画精華」の意義が認められ、李公麟の白描画の基準作といえる「孝経図巻」と、北宋の絵画が到達した迫真的な肖像表現を見せる「畢世長像(睢陽五老図巻断簡)」、メトロポリタン美術館が誇る中国絵画の名品が特別出品されることになりました。ことに、李公麟の二大傑作「孝経図巻」と「五馬図巻」が同じ空間に展示されることは空前の出来事と言えます。
北宋の書画の真髄に迫る、日本で初めての展覧会に、どうぞご期待ください。
特別展「北宋書画精華」 開催概要
【会期】
2023年11月3日(金・祝)〜12月3日(日)
【開館時間】
午前10時〜午後5時 [入館は午後4時30分前まで]
【休館日】
毎週月曜日
【入館料】
未定
【会場】
根津美術館 展示室1、2、5
【監修】
板倉聖哲(東京大学東洋文化研究所教授・根津美術館理事)
【主催】
根津美術館