釈迦多宝二仏並坐像しゃかたほうにぶつびょうざぞう 中国・北魏時代 太和13年(489) 銅造鍍金 1基 高23.5cm [20059] 『法華経』見宝塔品(けんほうとうぼん)には、釈迦の説法に賛嘆した多宝仏が、多宝塔中の自らの座に釈迦を招き入れ、そこで釈迦が説法を続けたことが記されおり、これを表した彫刻作品は中国・北魏時代に多くみられる。向かって左が多宝仏、右手を挙げて説法するのが釈迦である。台座背面には造像銘が鐫刻(せんこく)されており、それにより太和(たいわ)13年亡き父母の供養のために発願(ほつがん)されたことが知られる。細部にこだわらない力強い作風は太和仏の典型であり、本作はその名品にかぞえられる。