根津美術館

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書蹟

天地二大字

天地二大字
てんちにだいじ

  • 良寛(りょうかん)筆
  • 日本・江戸時代 19世紀
  • 紙本墨書 1幅
  • 縦133.5cm 横51.0cm
  • 秋山順一氏寄贈
  • [00288]

良寛(1758?1831)は、越後出雲(いずも)崎(ざき)の神官と名主を兼ねる旧家の出身。青年期に出家して諸国を行脚(あんぎゃ)した後に帰郷して、国上山(くがみやま)の五合庵(ごごうあん)や乙子(おとご)神社(じんじゃ)境内の草庵で過ごした。晩年は百姓代木村家の庇護のもとで和歌を詠み、書作を行って脱俗的な生活を送った。この天地二大字は、良寛の少字数を揮毫した作品の中でも優れたもののひとつで、広くとった余白に「天地」の二文字が呼応してみごとな調和をみせる。清純な境地と気品の高さ、さらに枯淡な味わいもある魅力あふれる遺墨である。当館に所蔵するやや小ぶりの「小天地」に対して、この1幅を「大天地」とよびならわしている。

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