特別展示「再会―興福寺の梵天・帝釈天」について

 7世紀後半に藤原鎌足の発願により建立された山階寺を起源とする古刹・興福寺の歴史は、度重なる罹災からの復興の軌跡でもありました。しかし、享保2年(1717)の大火以降復興造営は途絶え、続く明治維新の神仏分離・廃仏毀釈などにより、少なからぬ寺宝が流出しました。当館所蔵の帝釈天立像もその1つで、興福寺に残った梵天立像とともに、13世紀初めに康慶(運慶の父)門下の仏師・定慶(じょうけい)によって作られたことがわかっています。
 興福寺は今、長く失われていた中金堂の落慶を2018年にひかえ、往時の姿を取り戻しつつあります。その中金堂に飾られる「法相祖師画」のお披露目が2017年1月から東京を皮切りに行われるのに合わせ、興福寺・多川貫首のご厚意により、112年ぶりに梵天と帝釈天が当館で再会する特別展示が実現することとなりました。
 再会がかなった梵天・帝釈天の両像にみなぎる、鎌倉時代の仏師の技をじっくりとご覧ください。


(右)重要文化財 梵天立像 定慶作 日本・鎌倉時代 建仁2年(1202) 興福寺蔵
(左)帝釈天立像 定慶作 日本・鎌倉時代 建仁元年(1201) 根津美術館蔵


会期:1月7日(土)〜3月31日(金)

休館日:毎週月曜日(1月9日、3月20日をのぞく)、2月20日(月)〜3月3日(金)、1月10日(火)、3月21日(火)

会場:根津美術館 展示室3


主催:根津美術館

特別協力:法相宗大本山興福寺

企画協力:日本経済新聞社

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