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- 新創開館10周年記念 企画展
美しきいのち
日本・東洋の花鳥表現 - 2019年9月7日(土)~11月4日(月・祝)
休館日 | 毎週月曜日 ただし9月16日(月・祝)、23日(月・祝)、10月14日(月・祝)、11月4日(月・祝)開館、9月17日(火)、24日(火)、10月15日(火)休館 |
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開館時間 | 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで) |
入場料 | 一般1100円 学生800円 *20名以上の団体、障害者手帳提示者および同伴者は200円引き、中学生以下は無料 |
会場 | 根津美術館 展示室1・2 |
色も形もとりどりの花や、艶やかな羽を持つ鳥は、洋の東西を問わず、古くから賞玩の対象とされてきました。ことに中国を中心とする東アジアでは、花や鳥を描く花鳥画が、人物画や山水画と並び、絵画の主要なジャンルとなりました。一方、現代ではスケッチの意味で使われる「写生」という言葉は本来、花鳥画において、対象を観察し、その形や生態、ひいては生き生きとした様子を写し取ることを意味するものでした。すなわち花鳥画とは、美しい動植物をモチーフに、いのちの輝きを描きとどめようとするものと言えます。
ときに異国や極楽のイメージを喚起し、またときに吉祥をまといつつ、しばしば工芸意匠にもなった、東洋、とくに中国と日本における花鳥表現の展開をたどります。
【ご注意】絵画はすべて、前期(9月7日[土]~10月6日[日])と後期(10月8日[火]~11月4[月・祝])で展示替え、もしくは巻替えを行います。鏡および陶磁は、全期間展示します。
主な展示作品のご紹介です。出品リスト(PDF)のダウンロードはこちらから。
- 鶉図 伝李安忠筆
- 絹本着色 中国・南宋時代 12~13世紀 根津美術館蔵
- 小画面に、野を歩く1羽の鶉を描いて、量感と動感に富む。超絶的な筆づかいで、翼の光沢ある硬い羽毛と、胸の白く柔らかい羽毛の質感も描き分ける。南宋時代の宮廷画院で制作された花鳥画は、鑑賞者に絵を見る力も求める。【前期展示】
- 竹雀図 伝牧𧮾筆
- 紙本墨画 中国・元時代 13世紀 根津美術館蔵
- 枯木の枝に寄り添ってとまる2羽の雀。羽は濃淡の墨面、腹は淡墨の外隈により、姿形やボリュームが的確に描写される。水墨の滲みは、濡れそぼった様子にも見える。日本の水墨画に多大な影響を与えた牧谿(もっけい)の作と伝承された。【後期展示】
- 染付白鷺文皿
- 施釉磁器 日本・江戸時代 17~18世紀 根津美術館蔵
- 酸化コバルトの青い顔料で、蓮の枯れ葉に宿る白鷺をのびやかに描く。花は咲いていないが、伝統的な「蓮池水禽図(れんちすいきんず)」の系譜に連なっている。
- 四季花鳥図屏風 伝狩野元信筆(6曲1双のうち左隻)
- 紙本墨画淡彩 日本・室町時代 16世紀 根津美術館蔵
- 鳥たちの姿態や岩などの丸みを帯びた形態、柔らかな墨づかいは牧谿に基づく。生きものの息吹、空気の動きを感じさせつつ、奥行きのある空間を構築する点も素晴らしい。【前期展示】
- 秋草図巻 銭維城筆
- 絹本着色 中国・清時代 18世紀 根津美術館蔵
- 30種におよぶ秋の草花を描いた画巻。艶麗な花卉図を大成した清時代の画家・惲寿平(うんじゅへい)の画風を継承する。筆者の銭維城(1720〜72)は乾隆皇帝時代の画院画家。こうした作品は、江戸後期の日本の絵画にも影響を与えた。【前期と後期で巻替え】
- 花鳥図屏風 椿椿山筆(6曲1双のうち右隻)
- 紙本着色 日本・江戸時代 嘉永5年(1852) 根津美術館蔵
- 6曲1双屏風のうち、桃と柳、飛遊する4羽の燕を描く右隻。柔軟な水墨に淡彩が印象的にほどこされ、動きのある構成もあいまって、画面には生動感があふれる。中国・清の画家・惲寿平(うんじゅへい)に傾倒した椿椿山(1801〜54)の作。【後期展示】
- 2019年10月5日(土)
- 講演会「花鳥に寄せる思いとその表現」
- 2019年9月13日(金)、28日(土)
10月11日(金)、26日(土) - スライドレクチャー「美しきいのち」